インプラントは自由診療だ。歯医者が料金を自由に設定できる。
同じ手術でも医院によって2〜3倍の差がある。
もっと問題なのは「最初に言った金額」と「最終的に払う金額」が
全然違うケースがゴロゴロあることだ。
国民生活センターに寄せられた相談のうち70%以上が50万円以上、46%が100万円以上の契約だ。
「騙された」と気づいたときにはもう口の中に金属が埋まってる。
1まず「本当の総額」の構造を知れ
「1本30万円〜」という広告の「30万」に含まれているのはこれだけだ:
インプラント体(骨に埋める部品)+アバットメント(連結部品)+人工歯(被せ物)
これに追加される費用が青天井になる。以下の表で確認しろ。
CT撮影・診断料
1〜5万円
院内CTあれば安め。外注は高くなる場合あり
インプラント体+アバットメント+人工歯(基本セット)
25〜45万円
これが「広告の価格」。メーカーで差が出る
骨造成(GBR法)
5〜30万円
骨が足りない場合に追加。高齢者は必要率が高い
サイナスリフト(上顎洞底挙上術)
20〜40万円
上の奥歯で骨が薄い場合。これだけで倍以上に跳ね上がる
抜歯費用
0.5〜1万円
残存歯がある場合。別途請求される医院が多い
静脈内鎮静法(ウトウトしたい場合)
3〜10万円
希望者のみ。ただし「勧めてくる」医院は注意
仮歯(プロビジョナル)
1〜5万円
「込み」か「別途」か最初に確認必須
術後定期メンテナンス(年間)
3〜6万円
生涯続く費用。見積もりに含まれないことが多い
▼ 最重要
「1本30万」が骨造成+サイナスリフト+仮歯込みで100万超えは普通にある。
「総額いくらですか?追加費用は何がありますか?」を必ず書面で確認しろ。
2「モニター価格」「特別割引」の罠
「モニター様限定!通常45万→本日限り19.8万!」
これは典型的なフロントエンド商法だ。
安い値段で引き込んで、追加費用で回収する。
国民生活センターの調査で「初診当日に契約を迫られた」事例が多数報告されている。
「今日決めれば安い」は詐欺師の口上だ。帰れ。
× 料金に関するレッドフラグ
- 「今日だけ」「モニター限定」「キャンセル待ち」などの時間的プレッシャーをかける
- 見積書を書面で渡さない・「だいたいこのくらい」で口頭のみ
- 追加費用が発生する条件(骨造成等)を事前に説明しない
- 使用するインプラント体のメーカー・型番を教えない
- 保証内容(期間・適用条件・免責事項)を明示しない
- デンタルローンを強く勧める(金利分が医院収益になる)
- 相見積もりを取ることを嫌がる、または否定する
3廉価インプラントの正体
相場より明らかに安いインプラントには理由がある。3つのパターンがある。
× 廉価の正体パターン①
未承認・模造品インプラント体の使用厚労省未承認の海外製品や、認可品の模造品。安全性・有効性の保証なし。万一トラブルが起きても部品の入手が困難。
× 廉価の正体パターン②
経験の浅い術者の練習台あえて安くして症例数を稼ぐ医院がある。治療費は安くても技術は未熟。失敗した場合の再治療費は高額になる。
× 廉価の正体パターン③
設備・滅菌を省コスト化専用オペ室なし・廉価滅菌機器・簡易感染対策で固定費を下げている。感染リスクが高い。
✓ 適正価格の目安
1本35〜50万円(総額・追加費用含まず)世界シェア上位のインプラント体(ストローマン・ノーベルバイオケア・デンツプライ等)使用。これより大幅に安い場合は理由を確認しろ。
4賢いジジイは「見積書」でこれを確認する
✓ 見積書で必ず確認する7項目
- 使用するインプラント体のメーカー名・型番が明記されているか
→ 明記できない医院は廉価品・未承認品の可能性がある
- 骨造成・サイナスリフトが必要な場合の追加費用が明示されているか
→ CT撮影後に追加可能性を必ず確認。口頭ではなく書面で
- 仮歯・CT・血液検査が「込み」か「別途」か明示されているか
→「別途」の積み上がりで最終額が大きく変わる
- 保証期間と適用条件が明記されているか
→「5年保証」でも定期メンテ不参加で無効になる場合がある
- 術後メンテナンスの年間費用が記載されているか
→ 10年・20年の累積メンテ費用も含めてトータルコストで考えろ
- 支払い方法・分割回数・金利が明記されているか
→ デンタルローンの金利(年7〜15%)は医療費控除の対象外
- 治療中断・転院した場合の費用精算方法が記載されているか
→ 医院が閉院・廃業するリスクも考慮。大手チェーンでも起きている
5医療費控除でいくら返ってくるか知っておけ
インプラントは保険外だが医療費控除の対象だ。確定申告すれば一部返ってくる。
ジジイは年金受給者でも申告できる場合がある。確認しろ。
〜200万円
5%
約3.5万円〜(総所得×5%が控除下限)
300〜500万円
10〜20%
約7〜15万円(住民税還付含む)
500〜900万円
20〜23%
約15〜18万円
✓ 医療費控除の注意点
- 領収書は全部保管しろ。自由診療は「医療費のお知らせ」に載らない。確定申告に領収書が必要
- 交通費(電車・バス)も対象。自家用車のガソリン代・駐車場は対象外
- デンタルローンの金利・手数料は対象外。元本分のみ
- 家族分の医療費と合算できる。生計を同一にする家族全員分を足せる
- 控除上限は200万円。翌年の住民税も下がる
金を守るのも患者の仕事だ
「信頼できる歯医者なら料金のことをグチグチ言うな」と思ってる場合じゃない。
自由診療は全額自己負担・医院が自由に設定・法的な上限なしの世界だ。
見積書を書面で出せない歯医者、追加費用を説明しない歯医者、
今日決めろと迫る歯医者は、それだけで信頼できない。
資格と設備で術者と環境を選んで、料金で搾取されるな。
全部確認してから契約書にサインしろ。